UnityとOculus Rift SでVR開発を始める
Unityの準備 UnityとOculus Rift Sのヘッドセットで仮想現実のコンテンツ制作を始めるための準備をここで紹介します。 まず、使用するUnityのバージョンを確認しましょう。このチュートリアルで利用しているのはUnity 2020.3です。バージョンによって設定の違いがあるので注意してください。Unityの準備はUnity Hubアプリ経由で行います。 Unityをインストールする時に日本語の言語パックをインストールしてUIが日本語で表示されるようにしておきましょう。 Oculusソフトウェアの準備 Unityの他にOculusのソフトウェアもインストールする必要があります。Oculusの公式サイトからソフトウェアをダウンロードして、インストールします。 Oculusハードウェアの準備 次はハードウェアの準備です。コントローラとヘッドセットを箱から取り出します。コントローラーは左右に単三電池を入れなければならないので、取っ手部分を下にずらして開けます。 次はヘッドセットのコネクタをPCに繋げます。USB端子は必ずUSB 3対応のポートに指しましょう。(通常は端子同様に青などで色が付いています。)映像コネクタはDisplay Portになっています。これは非常に重要な注意点です。Display PortからMini Display Portへのアダプタが付属されていますが、Oculusの公式ドキュメントによれば、HDMIアダプタはサポートされていないそうです。 じゃあ、ゲーミングノートPCなど、グラフィックボードの性能が十分で、Display Portが付いていないコンピュータの場合、非推奨でもUSB-C → Display Portまたは、HDMI → Display Portのアダプタを試すしかありません。試していないので何とも言えませんが、ネットの口コミではアダプタによって動作したりしなかったりするそうです。やはり、残念ながらDisplay Port対応のPCが無難です。 Oculusの初期設定 始めてOculus Riftを使う時、ユーザーアカウントの登録と初期設定を行います。 こちらも残念ですが、Oculusを利用するためにFacebookアカウントが必要です。新規のOculusアカウントを作成することが出来なくなりました。ユーザー登録が終わったら、接続の確認やファームウェアのインストールを経て、VRが体験できます。最後に「First Contact」というインタラクティブ空間が楽しめます。 終了方法が意外と分かりにくいです。バーチャル空間で動作をするのではなく、現実世界のキーボードのEscキーを押してOculusのホーム画面に戻ります。Oculusでの作業はここで終わります。 自作のアプリをOculus Riftで動かすために、Oculusのデスクトップアプリの設定を変えます。設定の一般タブで「提供元不明」のアプリを許可します。 Unityでテストプロジェクトの作成 すべてのソフトウェアとハードウェアの準備が終わったらUnityで新しいプロジェクトを作成して、動作を確認しましょう。Unity Hubで新しいUnityプロジェクトを作成します。 プロジェクトのテンプレートはリストの下の方にある「VR」を選びます。初めて使う時に、「ダウンロード」を押してから利用できます。プロジェクト名と保存場所を指定して、作成します。 VRテンプレートで作成したプロジェクトを始めて立ち上げると非常に重要な警告が(英語で)表示されます。 要するに、次の設定が必要です。編集メニューからプロジェクト設定を開いて、「XR Pluggin Management」でOculusを有効にしなければなりません。 プロジェクト設定を閉じて、エディターで再生ボタンを押すと接続されているOculus Riftでシーンが表示されます。されるはずです。が、こういうエラーが出る可能性があります。 コンソールで詳細を確認すると、コンピュータの再起動を試してくださいとのことです。確かに、再起動して、Unityを立ち上げて、Oculus Rift本体(下の部分)にある起動ボタンを押して、もう一度再生してみると見事にゲーム画面でも端末でも動作が確認できました。 新しいシーンを作る では、起動しているSampleSceneではなく、自作の新しいシーンを作りましょう。まず、SampleSceneにある「XRRig」オブジェクトが非常に便利なので、プレハブとして保存しておきましょう。整理整頓が大事ですので、新しい「Prefabs」フォルダーを作って、そこにXRRigを追加します。 空(Empty)の新しいシーンを作成します。 照明がないと何も見えないのでとりあえずディレクショナルライトを一つ追加しておきます。そして、先ほどプレハブ化したXRRigをシーンに追加します。XRRigはカメラと両手のコントローラーが入っているのでカメラの追加は不要です。XRRigの位置を(0, 0, 0)にしておきましょう。さらに、テスト用にキューブも一つ追加します。 「Cube」はカメラから見える位置に移動します。 再生するとお馴染みのUnityの空が仮想現実で現れます。これからフィールドの制作など、通常の3Dゲームと同様に進められます。